Dr.STONE 13巻の感想とキャラクター重視の物語について

少女☆歌劇 レヴュースタァライト』の劇場版が楽しみな二シ満塁です。

テレビシリーズ、またYoutubeで公式無料配信し始めたので、観て。

https://youtu.be/pFCgymerU6I

 

 


今回は『Dr.STONE』の単行本13巻についての話。

 

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HUNTER×HUNTERを除いて、今、週刊少年ジャンプのマンガで一番楽しみにしてる連載がDr.STONEです。

 

宝島に上陸という、新章開幕を迎えた前巻。

 

シリアスに偏っていくのかと思いきや、コハクちゃんメイクアップ作戦を始め、宝島捜索をスパイコメディに仕立てることによって、少年漫画の読みやすさは変わらず維持。

 

もちろん科学発明も織り交ぜながら、科学王国の進撃は続きます。

 

やっぱり、相変わらずテンポがいいですね。

 

 

ドクターストーンの場合、全人類(地球上)石化という、これ以上ないほどの困難を初っぱなに設定していて、この問題の解決をゴールとするなら、それまでに発生する問題はサクサクと解決していく方がいいと思います。

 

つまり、今のテンポのまま突っ走って欲しいと願うばかりです。

 

本巻で明らかになったのは、石化現象の有効範囲(の一例)。

この石化現象も科学的に、何かしら筋の通った理屈として描くのでしょうか??

今後に期待です。

 

 

そして、僕のお気に入りキャラ、龍水が石化するその瞬間までもかっこよかったことが、明確に描写されましたね。

 

ほんとに龍水かっこいい……。

 

ソナーマン羽京くんも科学王国の命を繋ぐファインプレーを魅せてくれました。

 

ドクターストーンって物語が爆裂に面白いマンガだと思うんですけど、キャラマンガとしても成立してるところが、素晴らしいです。

 

作画を担当されているBoichiさんの絵が、ドクターストーンという物語に圧倒的な説得力を持たせていますよね。

 

Boichiさん自身も科学の知識が豊富だそうで、科学クラフトの描写にも抜群の安定感があり、ギャグテイストのシーンでの物理法則を無視した描写も完璧。

 

稲垣理一郎さんとBoichiさん。まさに科学同様、「クッソ地道な努力」が結実した傑作です。

 

 

キャラの話に戻ると、男がかっこいいマンガ好きなんですよね。

鋼の錬金術師』とか『ドリフターズ』とか。

 

たしか、奈須きのこさんが、「物語よりもキャラが重視されるようになった」的なことをどっかで言ってたと思います。(違ってたらごめんなさい)

 

まさにその通りだなと思うことが多々あります。

 

昨今のFGOの超絶人気も、そういった影響が少なからずありますよね。(FGOのストーリーがつまらないと言っているわけではありません)

 

アベンジャーズ』なんかも、その類いかなぁと思ってます。

MCUはドラマシリーズを除いて、映画は全部観ました。たぶん。

あれってドラマシリーズで物語の補完をしてるんですかね?

エンドゲームまで一連の流れは観ましたけど、「物語」が面白いとは、正直言えないと思うんですよねぇ。

 

 

マーティン・スコセッシ監督の発言も、けっこう頷ける部分が多いなあと思います。

もちろん、シネマに何を求めるのか、によって千差万別の答えが存在するので、何が正しいとか、間違ってるとかは議論するだけ不毛ですけど。

僕にとっても、マーベル作品の多くは、「僕がシネマに求める何か」が欠けているんでしょうね。

 

といっても、スパイダーマンシリーズはめっちゃ好きですよ!!

ファー・フロム・ホームも良かったですし、トムホスパイディがかっこいいですよね!

Blu-rayも予約済みです。

 

そうそう、『スパイダーマン スパイダーバース』の続編に、東映スパイダーマンが登場することが、ほぼ確実になったようですね。

楽しみです。

 

 

話が逸れまくりましたが、Dr.STONEめちゃ面白いよねってことです。ええ。

 

では、また。

 

 

最近観た映画の話

もうすぐ発売の『DEATH STRANDING』が楽しみな二シ満塁です。

僕の体の映画成分は12%ぐらいです。

70%とはいきませんが、最近観た映画の話をします。

ほぼ雑談です。 

 

 

※ネタバレありです※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ハンターキラー 潜航せよ』

 

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AmazonVideoで観ました。

 

良かったですねぇ。

王道でスカッとするドンパチアメリカ映画って感じでしょうか。

雑な紹介をすると、ロシアでクーデターが起きて、「ロシア大統領の救出」という一大ミッションを米軍が遂行することとなり、海と陸から潜行する。って感じですかね。

 

潜水艦モノっていうジャンルがあるんですね(?)

序盤、潜水艦が潜り始めるシーンで、船員の体が後方に反ってる描写がありました。

たぶん物理法則的に正しい演出なんでしょう。

 

そういった細かさもありつつ、プロットの大部分は大胆極まりない展開の連続!

新人スナイパー覚醒のシーンは、「わかってたけどアツイ」展開ですよね!!

 

シールズが高台(?)に潜んでるときに、ロシア側の斥候と危うくエンカウント!というシーン。

この辺り、『メタルギア』シリーズを想起せざるを得なかった人も少なくないのでは。

と言っても、僕はメタルギアは『メタルギア ソリッド ピースウォーカー』しか、やったことないんですが。

メタルギア3か4か忘れたんですが、ゲーム始めてマジの冒頭、どっかの湿地帯からスタートしたんですけど、操作方法がわからなさすぎて、そこにいたワニに殺された記憶があります。

それから手をつけてないです。デススト終わったら、またやろうと思います。

 

友達にミリオタ的な人が居るんですけど、すごいですよね、あの種の人って。銃弾が何mmとか、戦車の名前にある「T-〇〇」とかめっちゃ覚えてますよね。

 

そういえば「T-34 レジェンド・オブ・ウォー」公開されてますね。

小島監督の推薦コメントも公式サイトにあって、パンフレットには上坂すみれさんのコメントが載ってるらしいので、是非観に行きたいのですが、公開館数が少なくて、ちょっと遠出しなくちゃいけないんですよね…。

観に行ったらまた、感想書きます。

 

話が逸れました。

ハンターキラー面白かったです。

話はまとまってて、細かい整合性は気にしない、最後は平和なエンディングが観たいっていうときにオススメな映画でしたね。

 

 

 

 

次は『ウトヤ島、7月22日』

 

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こちらもAmazonVideoで観ました。

凄まじい映画でした。

 

まず特筆すべきはやはり、72分間ワンカットということでしょう。

実際に事件の起きていた時間とも重なる時間だそうです。

地獄の時間。

 

実際に起きたノルウェー連続テロ事件の一部を映画化したものです。

 

冒頭はその口火が切られる瞬間、政府庁舎が爆破されるシーンから始まります。このシーンは恐らく、実際の監視カメラの映像を織り交ぜていたシーンであると思われます。

その生々しさだけでも、当時の緊張感が伝わってきます。

 

そして、ほぼ全編を占めるワンカット映像。

犯人は誰なのか、何人居るのか、銃以外の武器は持っているのか、逃げ道はあるのか、警察はいつ来るのか、どこに逃げれば良いのか。

逃げ惑う若者たちは、そんなことを考える余裕すらなかったのであろうと感じる、映像の説得力がありました。

 

主人公が妹を探して、やっとのことでテントに辿り着いたが、そこはもぬけの殻であった、というシーン。ここでのゆっくりと歩く人影とのニアミスは、正に息を呑む、圧倒的な緊迫感でした。

あの惨劇が進行していた島で、あんなにゆったりと歩ける人物は犯人でしかありえない。

 

 

この映画を観たあと、ネットで軽く、事件のことを調べて、驚愕しました。

映画で描かれた惨禍を遙かに上回る地獄があったのです。 

 

生存者の方たちからの証言が多く残されており、この映画もそれらを元にして作られたそうです。

何故、映画は大部分がワンカットだったのか。

これはもちろん、当時の緊迫感を再現することもあるのでしょう。

しかし、私個人の見解としては、「実際に起きた事件がひどすぎて、描写しきれないものが多すぎたから」ではないか、とも思うのです。

 

ワンカットで、ほぼ主人公の視点としてカメラを固定することにより、必然的にカットされる情報が多くなります。

そのカットされた情報にこそ、真の地獄を描写したのではないかと、思います。

当時の情報を検索する手が止まってしまうほど、ひどいです。

 

そして恐るべきは、その恐怖が今現在も続いているということ。

 生存者のもとに、今でも脅迫のメールが届くというのです。

テロのもたらす被害は一過性ではないのです。

あの日の銃声が、現在も尾を引いているという悲劇。そして、その残滓は一生、彼らの心に残り続けてしまうのでしょう。

 

ノルウェーの抱える問題を知る端緒ともなるであろう映画です。

若者の未来が絶たれることの悲劇、生き残った若者の人生を貫く晴れない影。

この映画は受け継いで行かねばならない。そう思います。

 

 

 

 

 

 

次は『情婦』

 

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この映画は最大のリスペクトを籠めて、ネタバレなしで書きたいと思います。

 アガサクリスティーの『検察側の証人』を原作とする、1957年に製作された映画です。

その原作は未読です。

 古き良きモノクロ映画ですね。めちゃ面白かったです。

この映画は大学の講義中に観ることになったんですが、個人的に、映画は一人で観る派なので、AmazonでDVDを買って一足先に観ました。

 

 

何ともバランスの良い映画だと思います。

 

弁護サイドのキャラの豊富さを言えば、今の漫画やラノベにも負けないぐらいのキャラだと思います。

チャールズ・ロートン演じる弁護士の愛らしさったらないですね。

 

プロットの進み方としては完全に、観客は弁護士サイドに感情移入するように作られています。その点も上手かった。

 

講義曰く、原作では描かれない展開があの終盤、ラストなのだと。

ラストは、個人的に大好きでした。

 

中盤までは、ほんわかさを保ちつつ真相を推理し、終盤は法廷劇として確かな証拠と熟練のスキルを駆使して闘う、という着実なステップの踏み方も全て、綺麗にラストシーンへと帰結していましたね。

 

こういった緩急のつけ方が上手い映画は、観ていて何とも気持ちの良いものです。

 

Amazonで1000円で買えます。お手元に置いといて損はしない一作であると思います。

 

 

 

 

 

 

『映画 賭ケグルイ

 

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AmazonVideoで観ました。

良かったです。

 

賭ケグルイは原作未読で、アニメは一期の3話ぐらいまで、実写ドラマは観てません。

なので、雰囲気と概要は何となく知ってるレベルです。

 

アニメのOPのセンスが抜群だった印象がありますね。

調べてみると、絵コンテは山本沙代さんなんですね。『ユーリ!!! on ICE』で監督をされてた方。ユーリもOP,EDめちゃセンス良いですよねぇ。

 

さて、 『映画 賭ケグルイ』。

この映画は上記のメディアミックスとはまた別で、オリジナルストーリーらしいです。

しかし、物語序盤は原作のストーリーを踏襲している感じですね。

 

演出としては、目がギョロッとなるところとか、狂気に歪む笑顔とか、賭ケグルイを象徴するようなシーンは健在でした。

 

オリジナルストーリーの内容は細かく書きませんが、雑なところは雑、決めるところはきちっと決めている印象だったので、実写化された漫画のなかではかなり良い方な気がします。

 

3月のライオン』の実写とかも、オリジナルストーリーも交えて綺麗にまとめてましたよね。あんな感じ。

 

「漫画の実写化」となると、いつも一定数、拒絶反応を起こす人たちがいますよね。

もちろん、その気持ちもわからなくはないんですけど、そんなに拒絶しなくてもいいのになぁと毎回思います。

 

今度、『約束のネバーランド』も実写映画化されるようですね。

実写化に際してなんですけど、原作のストーリー、設定を受け継ぐのは良しとして、キャラクターの風貌、髪型、衣装まで真似る必要ってあるんですかね?

 

もちろん、スポンサーの意向や、商業的には原作と関連づけて利益を生み出すのが正解なので、全然間違った判断ということではないと思うんですけどね。

約束のネバーランド』の原作には、子どもといって差し支えない、少年少女たちが自由を求めて奔走するというベースがあると思うのですが、今回の実写化キャストでは、少年少女とは言いがたいですよね。

 

なので実写はクソ、という思考も悲しいです。

再現不可能なのはわかりきっているので、世界観、設定は引き継いで、キャストの風貌などはオリジナルなデザインで馴染ませる、という考え方でもいいんじゃないかなぁと思うんですよね。

 

話を戻して、今回の賭ケグルイは、元が学園モノ、ストーリーの起伏はぶっちゃけ劇中で行われるゲームで決まる、という感じなので、実写化のハードルは低めだったのかも。

 

学園モノといっても、原作からしてクルッた設定ですしね。今回の映画でも「ヴィレッジ」という自治区が学園内に出来ていて、ストーリー後半で生徒会の執行部とヴィレッジのメンバーが殴り合いを始めるという、ヤンキー映画さながらの展開がありましたし笑

 

キャストさんたちの演技力についても皆さん、素晴らしかったですね。

特にやっぱり、矢本悠馬さんが演じる木渡くんが印象に残りますよね笑


コメディ担当のキャラを明確に設定することで、相対的に他のキャラにシリアス、現実感を付与させてるって感じでしょうか。

 

なんだかんだで、2時間一気に観れる良作映画でした。

 

続編を作る気満々っぽいので、2作目が作られたら映画館に足を運びたいと思います。期待。

 

あと、Netflix賭ケグルイ、アニメの一期二期、ドラマ版の一期二期が配信されてるので、ちょっとずつ観ていきたいと思います。

 

 

それでは、今回はこの辺で。

では、また。

 

 

鬼滅の刃17巻と吾峠先生の短編集を読みました。

大学の講義内の質疑応答で、

「先生の好きな助動詞は何ですか? 私は『む』です。」という質問に対し、

「私は『けむ』ですねぇ。過去推量という点で、今、作品を読んでいる私たちにも重なってくるところが好きです。」

という会話について行けなかった二シ満塁です。

 

 

今回は鬼滅の刃の単行本、最新刊と吾峠先生の短編集を読んだ感想を書きます。

 

※これまたネタバレ全開でしゃべりますので、ご注意※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶賛馬鹿売れ中の『鬼滅の刃』17巻。


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 面白いですねぇ。

 

鬼滅の刃は単行本派です。(ジャンプは、HUNTER×HUNTERが連載再開したときだけジャンプ+で買う派)

友達は本誌派なので、これからもやべぇ展開が続くらしいということは、聞き及んでおります。

 

本巻は、ざっとまとめると、『しのぶさん、やられた?』『雷の呼吸問題、大体決着』『炭治郎さん、コツをつかみかける』という感じでしょうか。

 

単行本のサブタイトル『受け継ぐ者たち』に違わぬ内容。様々な因果が結集した一巻でしたね。

 

まず、しのぶさんがピンチ。というか、鴉は死亡って報告してましたけど……。信頼できない語り手であってくれ……。

 

無念、不条理、怒りを籠めた、しのぶさんの一閃は、カナヲに受け継がれたのでしょう。指文字とともに。

どうなっちゃうんです…?

 

 

次は、善逸と獪岳のバチバチバトル。

 

『獪岳』ってすごいネーミングですね。老獪の「獪」に、他を寄せ付けない高嶺を彷彿とさせる「岳」。

 

圧倒的な高みを目指す、上方のイメージを持ちました。

鬼となった獪岳は、高みに登り詰めたつもりでいる。しかし、善逸には堕ちたようにしか見えない。

 

善逸は、彼を象徴するような「善」と、比較的ゆったりとした意味を含む「逸」。

 

横一文字、一途に閃く「霹靂一閃」は、水平線のイメージでしょうか。

肩を並べて闘う仲間達を思う気持ちも、X軸なイメージ。

 

そんな二人が切り結ぶことは、悲しいかな、必然だったのかもしれません。

 

X軸とY軸は、どちらもどうしようもなく真っ直ぐな一線です。視点が変われば、自ずと立場が逆転していた可能性もあるのでしょう。

 

じいちゃんの左頬にある傷痕は、そんな正反対の二人を包み込む愛情の証だったのだと思います。

 

この戦い、約2.5話で決着がついたのは意外でしたが、まさに一条の「雷」が落ちたときのように、一瞬でカタがつくことも、二人の戦いにおいては必然だったのかも。

 

 

残された産屋敷輝利哉くん、くいなちゃん、かなたちゃんも、『受け継ぐ者』として、奮闘していますね。涙を流す一刻すら与えられない辛さは、想像し得ないものがあります。

 

彼らの繋いだ情報が、鬼殺隊の命を繋いでくれることでしょう。

 

 

炭治郎は因縁の相手、アカザ(変換めんどいのでカタカナで許して)と対峙。

 

炭治郎は戦いの中で考え、研鑽することができる人物として、よく描かれていますね。今回も走馬燈ラッシュが発動してました。お父さんめちゃつよ。

 

義勇さんにアザ発現。アザも『受け継ぐ者』としての象徴なのでしょう。

 

回想の中で伊之助が登場。伊之助が鬼滅で一番好きなキャラなので、我大歓喜。伊之助かわいいよ伊之助……。

 

本巻に限らずなんですけど、吾峠先生は過去話、回想話の挿入の仕方がめちゃ上手いですよね。特に、鬼の背負っている過去の描き方がすごく緻密で、残忍な印象しかなかった鬼に対しても、感情移入してしまうほど。アカザも何かしらの過去の因果を背負っているようです。

 

過去からの因果を、未来へと昇華するきっかけが、仄かに見えた17巻でした。

 

本巻も話と話の間にあるおまけページが良かったですね。

キャラの背景を説明するものも多いですし、毎回楽しみです。連載二回分ぐらい尺取りそうな過去話もちらほらありますよね。

今回は、村田さんとねずこちゃんと鎹鴉が読者の心を癒やしてくれました笑

 

村田さんといえば、声優さんが宮田幸季さんで、弱虫ペダルの杉本しか思い浮かばないですね。いや、良い意味で。

 

キメツ学園も絶好調。

同じ類いの、諫山創先生の進撃のスクールカーストもめちゃ好きなんですよねぇ。

こういう、シリアスとギャグを織り交ぜながら描ける人ってすごいですよね。羽海野チカさんとか、沙村広明さんとか。

 

あと、 表紙詐欺でしたねぇ。実弥、出てこねぇ。

 

 

 

 

 この流れで読みました、『吾峠呼世晴 短編集』。

 

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 『過狩り狩り』は裏表紙でも紹介されているとおり、『鬼滅の刃』の前身となった作品だそうです。

 

作品の内容と鬼滅へのつながりは、言うまでもないので、他のことを。 

 

吾峠先生があとがきでも触れている通り、かなり説明が少ない作品ですね。しかし、短編勝負ということであれば、説明し過ぎず、想像の余地を存分に残した方が、印象深い作品になる気がします。

それプラス、「何か突出したもの」が描けていれば良いのだと思います。『過狩り狩り』では、「事情を抱えた弱肉強食」という感じのテーマでしょうか。

 

あと、いかにもな敵として描かれるヴァンパイア風の男に関して。

彼が話す時の台詞は基本的に、横書きで統一されています。これは他の漫画でもよく見られる、異国語をしゃべるキャラに対して使われる表現だと思います。

 

キャラの背景を極力説明しない。そんな中、この横書き表記と、「理解出来ない言葉だ」という台詞で、敵対関係にあること、臨戦態勢に入ったことを簡潔かつ速やかに、読者に伝えている点がすごく良かったですね。

 

漫画という媒体を生かした素晴らしい表現だと思いました。

(異国語の横書き表記って、いつから使われ出したんでしょうか? 調べるの無理そう)

アメコミとかは元が横書きなので、翻訳文も横書きですよね。

この疑問、言語表現的な問題にも繋げられそう。

 

全編横書きの純日本漫画があっても面白いかも。(既にあるかも。不勉強で御免)

 

そして、ヴァンパイア風の男の台詞、縦書きになるときが二カ所(細かく言うと三カ所)あるんですけど、そのシーンは「弱肉強食の関係が逆転する瞬間」なのかな、と思いました。

 

一つ目は、珠世さんの惑血が発動して、ヴァンパイア風男が押されている場面。

二つ目は、ヴァンパイア風男が追い詰められて、橋へ飛び乗ろうとしたシーンから、義勇さん風剣士に殺されるまで。

 

この二つのシーン。もしかしたら、このヴァンパイア風男、元は人間で、狩られる方であった感覚を思い出している瞬間なのかも、と類推しました。

……深読みしすぎですかね笑

 

でも、そんな深読みを呼び込むためにも、こういった表現の工夫が必要なんでしょうね。

『過狩り狩り』、傑作です。

 

 

 

文殊史郎兄弟』は、特殊能力モノの側面が色濃く出た作品ですね。

あとがき曰く『妖怪人間ベム』の影響。

「人の中に住む虫」をテーマにした作品。最近のアニメ映画で『アラーニェの虫籠』も、そういったテーマだったと思います。


文殊史郎兄弟』。かなり一方的な力の描かれ方、ということが言えると思います。

 それ故、果たされた復讐には、一抹のむなしさが付きまといます。

 

書いてて気付いたんですけど、『肋骨さん』『蠅庭のジグザグ』もテーマの一つとして、復讐が採用されてるんですね。『鬼滅の刃』もそうですね。

 

ここまで一貫して「復讐」を描きながら、暗い作風になることはなく、少年誌的な雰囲気を保っているのは、キャラたちが「復讐」を通じて、前に進もうとしているからではないでしょうか。 

 

清算して、きれいさっぱり忘れるためではなく、ちゃんと過去の因果とカタをつけて、「その過去すら、自分のなかに受け継いでいく努力」をしているのだと思います。

それは決してマイナスなことではなく、未来へ向かうための一歩です。

 

 

長くなっちゃったので、今回はここら辺でお開き。

 

ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。

ちょくちょく書いてるので、またのぞきに来てくれたら嬉しいです。

 

では、また。

 

 

 

『幾原邦彦展』 京都会場の最終日に行って来ました。

森高千里さんは昔より、オバさんと呼ばれてもおかしくない年齢となった現在の方が可愛いと思っている、二シ満塁です。


幾原邦彦展~僕たちをつなげる欲望と革命の生存戦略~』京都会場、最終日に滑り込みで、大学終わりに行ってきました。


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入り口前にはお花がいっぱい。


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柱の一部がオシャレになってました。


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最初は、歴代ポスターの展示がいっぱい。


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ピクトグラムが良い味出してますね。


幾原さんのサインもありました。


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そして、展示の大部分を占める広間に入る前に、『さらざんまい』の三人が、さらっとお出迎え。


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ここから先、出口付近に至るまで撮影NGだったので、文字で紹介していきます。

幾原さんの監督作品として、『少女革命ウテナ』『輪るピングドラム』『ユリ熊嵐』『さらざんまい』がメインに展示されていたのですが、どの作品が多め、どの作品が少なめ、ということはなく、全作品バランス良く展示されてました。


ここで白状すると、僕はウテナを観てません。なので、ウテナに関する知識はほぼゼロで行きました。
観たい観たいとは思いつつ、まだ観てないリストの筆頭です。
友達と二人で行ったんですけど、友達はウテナを観てたので、その友達にウテナの概要を教えてもらいました。


他のピンドラ、ユリ熊、さらざんまいは観ました。こうして考えてみると、なんでウテナだけ観てないんだよ…って感じですね。これからNetflixで観ます。話逸れますけど、沙村広明さんの作品でも、『ハルシオン・ランチ』『春風のスネグラチカ』『幻想ギネコクラシー』『おひっこし』は読んだのに、『無限の住人』は最後まで読んでないんですよね…。再アニメ化されたシリーズも始まりましたし、これを機に、電子書籍で集めようかなぁと思ってます。『波よ聞いてくれ』は単行本で読んでますよ! サンライズ制作ということで、アニメ楽しみですね。

閑話休題

展示の話に戻ると、まず、幾原さんの生まれ、学生時代に影響を受けた作品などが、細かく紹介されているコーナーがありました。
幾原さんが寺山修司の影響を強く受けていることは、ご自身が各所で告白されてますが、やはりここでも、寺山の影は濃かったです。ってか、寺山修司と同じ時を生きた人でもあるんですよね、幾原さん。僕は98年の生まれなので、寺山修司はもう亡くなってました。98年生まれって、かなり若い感性を持っている世代である気が、自分でもしています。気がついたときには、パソコン、携帯電話が当たり前に存在していた世代です。消費税が導入されたのってそんな最近のことなの……!と衝撃を受けた記憶があります。生まれたときには既にあったので……。これらのことについては、後日ちょっと書きたいと思います。


ちなみに新世紀エヴァンゲリオンTVシリーズが制作されたのが1995年らしいので、その辺りのアニメが放送されていたとき、僕はまだ存在すらしていませんでした。そんなひよっこが書いているブログです。どうぞよろしく。


話は戻って、文学部の端くれとして在籍する僕としても、寺山修司の一冊や二冊当然読んだことがある……と言いたいところですが、マジで一冊ぐらいしか読んでない気がします…。しかも、内容あんま覚えてない……。

これはイカンぜよということで、今日、大学の図書館で寺山の本を借りてきました(気になった本は基本、買う派なんですけど、Amazonに在庫がなかった)。また後日、その本のことも書きます。


そんで、幾原さんが影響を受けたという作品の中でも特に強調されていた、『田園に死す』の映画。AmazonVideoで観ました。
これまたどえらい作品でしたね。影響を受けざるを得ないという感じですね。

あのラストシーンはけっこう有名らしいんですが、僕は全くの初見で、前知識なしで観れました。もし、これから観られる方がおられましたら、是非、一切の情報を遮断して観て欲しいと思います。

また話が逸れて申し訳ないんですけど、映画のPVって観ます?
映画の予告編のことなんですけど、僕は観ない派です。
出来るだけ、映画本編を観るときに、まっさらで新鮮な映像体験をしたい、みたいな理由なんですけど、皆さんはどうでしょうか?
もちろんPVを上手く作ってある映画が多くあるのも承知しているのですが、どうしても、ネタバレが恐いって気持ちがあるんですよねぇ。


戻りましょう。

奥に進むと、各作品のシーンを抜粋した絵コンテ、原画、設定資料などが数多く展示されていました。

各作品で、一つのコーナーとしてまとまっている展示だったんですけど、ピンドラ、ユリ熊のコーナーには、あのペンギンたちと、銀子とるるちゃんの熊ぬいぐるみがいました。
めちゃめちゃ可愛かったです……。


https://twitter.com/ikuniten/status/1186192319663329280?s=19


幾原さんの作品に登場する、謎の生物たち。本展覧会の図録によると、幾原さんはペンギンたちのことを
『3兄妹の命が姿を変えて存在しているわけではなく、3兄妹からはみ出した『生命の輪郭』のようなもの、根源的な命のかたち』
と表現していたそうです。

わかるような、わからないような。正にイクニ作品。
実は大学の講義で、ピンドラ、ユリ熊を読み解くという講義がありまして、去年受講したんですけど、めちゃ面白かったですね。

アニメを観ているだけではわからない、小ネタや元ネタを沢山知ることができました。特にピンドラとか、元ネタがめちゃ多いんですよね。村上春樹の著作を元ネタにしてる部分もあって、元々わかりにくいのに、幾原さんの手が加わることで、さらによくわからなくなったり。

そういう考察系のアニメはめちゃ好きなので、僕は大歓喜なんですけど、そりゃ一定数、拒絶反応を起こす人がいるのも納得って感じです。

よくらからないけど何となく観ちゃう、みたいな人も多かったのでは。そういった視聴者の惹きつけ方ができる人って、アニメ業界にはそうそういないと思います。
視聴者は何となく『生命の輪郭』に触れていたのではないでしょうか。そして、その虜となった。

幾原さん自身も、多くのキャリアと豊富な経験を積んでこられた方ですし、やっぱり、色んな事象、事物に触れるのは大切なことだなぁと思う今日この頃です(これぞ小並感)。


時代と真摯に向き合ってきた作家、幾原邦彦
これからもその姿勢は崩れないのだろうと、充分に感じた展覧会でした(急にまとめ始めた)。

出口に向かうと、ケッピがいました。


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この人力車、乗って撮影できるやつでした。僕に一抹の羞恥心さえなければ……。自分をさらけ出して『さらざんまい』の三人のように、オープンな状態になれ、まっさらな気持ちになれというメッセージだったのかも……。


最後にグッズ売場へ。
図録と、買い逃してたさらざんまい展の図録、クリアファイル、缶バッチを買いました。
缶バッチは複数個買ったのですが、個人的なアタリをパシャリ。


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るるちゃん可愛い……。


そうそう、僕は限定グッズ付き当日券を買ったので、グラスをもらいました。


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良いですねぇ。


友達は普通の当日券を買ってました。入場券の色が違ってて、どちらも良い色です。


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直近の幾原さん関係の作品は、『さらざんまい』の舞台らしいです。


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舞台化するの知らなかった(情弱)。面白そうですよね。チケット取れたら行きたいなぁ。



長々と書いてきましたがそろそろお開きです。
大満足の『幾原邦彦展』でした……!
とにかく、ウテナ観ます。今すぐ観ます。

では、また。


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最近観た映画の話。10月第三週篇

好きな芸人さんは「プラス・マイナス」さん、「ロングコートダディ」さんの、二シ満塁です。

 

今回は最近観た映画の話をしようと思います。

ガチの考察とかではないので、ご容赦ください。

 

※ネタバレ全開でしゃべります、ご注意※

 

 

 

 

 『ジョン・ウィック:パラベラム』

観てきました。

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ジョンウィックシリーズは1,2作含めて、全て観てます。

今回もアクションマシマシのエンタテインメントでしたねぇ。今作は特にアクションシーンが一度始まると、「いつまでやってんの!?」と思うくらい、キレッキレのアクションシーンが続いてました。

正直1,2作目は見返してなくて、全体的な物語の流れをちゃんと追えてるかは、不明です。

三作で共通しているのは、「コンチネンタル・ホテル」の存在でしょうか。

この設定、めちゃ良いですよね。展開的に、アクションシーンをぶち切ることもできるし(たしか2作目にそういうシーンがあったような)、キャラたちが腰を据えて会話することもできる舞台。その聖域性によって、ほぼ全編、銃弾と硝煙と鉄分の匂いに満ちたこの映画でも、「その敷地内で血が流れることの意味」が、観客に伝わりやすくなっていると思います。

 

ドラマ版の「ザ・コンチネンタル」なるものが製作されることが決定していたような気がしますが、その続報は何かありましたっけ? 僕がアンテナ張れてないだけかも。

 

3作目の今回は、かなり橋渡し的な話という印象を受けました。「パラベラム」もラテン語で「平和を望むなら、戦いに備えよ」という意味だそうな。

 

今回の主な相棒は、馬。殺し屋たちを後ろ蹴り一発で戦闘不能にする、頼れる相棒。着実に力を拡大させている相棒枠。次回に期待。

 

やっとこさキング覚醒。「世界」を敵に回したジョンは、「世界」の外側に居る人たちを仲間にするということですかね。次回に期待。 

 

今作でジョンをいじめ抜いていた「裁定人」。キングもぶち切れてましたし、絶対えげつない死に方する(確信)。次回に期待。

 

 

 

 

 

『ホテル・ムンバイ』

観ました。

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実話ベースという恐ろしさ。テロが大きなテーマ、物語を進行させる要因なのは勿論なんですが、その他、宿泊客たちのドラマ、従業員の決死奮闘、テロの実行犯である若者たちに透けて見える経済的原因などが、すごくバランス良く配置されていた映画だと思いました。

 

アルジュン演じるデヴ・パテルさんは『スラムドッグ$ミリオネア』に出演している。印象的なあのEDでキャストたちが踊っていた場所、あの駅でダンスシーンを撮り終えたあと帰国し、その場所でテロが起きたことをテレビで知ったという。

何とも数奇な悲劇である。

テロというものは、たびたび創作のテーマにされることが多い。『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』なんかも、そうだろう。

テロの厄介なところは、実際的な建造物の被害、経済的な打撃、混乱は当然だが、「後に尾を引くこと」が、一番厄介なのだろう。

 

あと、カメラワークの観点で言うと、ホテルロビーを俯瞰するカットで、「テロリストと宿泊客がお互いに、お互いの気配を探りながら進んでいる」というシーンを監視カメラ的カメラワークで撮っているところが、妙に生々しくて良かったですね。

 

そんで、後半で特に感じたんですけど、この映画、字幕無しでもなんとなく内容わかるな、ということですね。終始緊張のシーンが続く映画なので、必然なのかもしれないんですけど、台詞が最小限に抑えられた映画だな、と思いました。キャストさんたちの身振り手振り、声の張り上げ具合、武器の有無などで、充分に物語が伝わってくるんです。脱出後の一連のシーンは特に、台詞が抑えられていたと思います。

 

大満足の傑作でした。今もホテルで働く勇者と、散っていった誇り高き魂に喝采を。

 

 

 

 

デッドプール2おとぎばなし

AmazonVideoで観ました。

デッドプールも1,2観てます。今回は事実上、全年齢が観られる映画となったデッドプールということらしいです。

物語の本筋はデッドプール2と大きくは変わりません。しかし、デッドプールではお馴染みのメタ要素、第四の壁壊しに拍車のかかった仕様となっていました。

デッドプールといえば先日、R指定でシリーズ継続が決まりましたね! めでたい。

ジャンプ誌で読み切りが掲載されたみたいな話も聞きましたね(まだ観てない)。

 

そんなデップーですが、脚本がすごく上手いですよね。常識を粉々に砕きつつ、支離滅裂にはなっていない。そうそう出来ることじゃないと思います。

 

https://youtu.be/djV11Xbc914

 

 終盤のシーン。やっと恋人の居る方へと踏み入ることのできたデップーは、珍しく真面目。このシーンで流れる、『Take On Me』のアレンジバージョンがすごくいいですね(上のはオリジナルのやつ)。デップーの持つ純粋さ、一途さをダイレクトに伝える素晴らしいシーン。

結局は、その空気すらもぶちこわす、ラストシーンがある訳ですが笑

 

デッドプールは今後の展開も大いに期待できるコンテンツであると、再認識しました。

 

 

 

実は、『ジョーカー』も観てきたんですけど、まだ感想をまとめきれていないので、また今度。

ジョーカー凄まじかったですね……。周りの友達の評価は、「概ね好評ながらも、絶賛とはいかない」って感じなんですけど、めちゃめちゃな名作ですよねジョーカー…。

ってな気持ちを整理できたら、またここに書きたいと思います。

 

それでは。

 

 

 

 

 

UNISON SQUARE GARDENのライブに行ってきました。~U-side篇~

f:id:nishi-mannrui:20191014062422j:plain2019年10月13日。大阪。なんばHatchにて、UNISON SQUARE GARDEN『Bee-side Sea-side U-side』が開催。

 

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行ってきました。

 

最高でしたぁ……。

 

だけだと味気ないので、色々書きます。

 

※ここから、B面ツアーのネタバレ全開なので、ご注意※

 

 

 

まずは、『リトルタイムストップ』でしっとり始まったライブ。

そこからの『セク×カラ×シソンズール』の爆上がりがやばかったです(語彙力)。

 

桜のあとのカップリング、『セク×カラ×シソンズール』めっちゃ好きなんですよねぇ。同じカップリングの『ノンフィクションコンパス』も好き。

なにげにシングルのまとまりとして一番好きなのは、桜のあとですね。

 

次は一旦、落ち着いてけと言わんばかりの『flat song』。

個人的には、『flat song』にはバラード曲的なイメージは、あんまり持っていなくて、ライブでも腕を挙げる人、挙げない人がバラバラな印象。僕は挙げる派です。

 

いや、やっぱりテンション上げてけと言わんばかりの『over driver』。

『over driver』は僕の記憶が正しければ、けっこう古参な曲だったような。ライブではちょくちょくやってるらしいんですが、僕は初めて聴きました、たぶん。めちゃ良かったです。

 

そこからの『ピストルギャラクシー』『ギャクテンサヨナラ』。

懐かしさを感じる、突っ走り系の曲が続きます。

『ピストルギャラクシー』。なんか、ゲームとかのタイアップがあってもおかしくない曲な感じしません? 僕だけかしら。『to the CIDER ROAD』がスマホゲーのOPに使われた例もありますし、UNISONのめちゃ過去曲からタイアップが選出されることも、ありえるのかなぁと思いました。

『ギャクテンサヨナラ』。どっかで、『空の飛び方』と並んで、「歌詞が恥ずかしい」という旨を田淵が言ってた気がする。なんかの曲と間違ってるかも。その気持ちもわかるんすけど、この青臭い感じ、めちゃ良いですよね(同意を求める視線)。『空の飛び方』はTKOとその知人が好きな曲ってのも、どっかで聞いた(と思う)。

 

話逸れるんですけど、B面アルバム出すタイミングで、公式がYoutubeで上げた『空の飛び方』『5分後のスターダスト』『ラブソングは突然に~What is the name of that mystery?~』って、メンバーの推し曲ですっけ? ファンクラブのラジオかなんかで言ってた気がする。あやふやな情報ですまぬ。

 

戻って、お次は『僕は君になりたい』『スノウループ』。

『僕は君になりたい』の「君は僕になりたいのにさ」の「た」の上がり方がめちゃ好き。わかって。よく伸びる斎藤くんの声が心地良い。

『スノウループ』。お馴染み雪シリーズ。どの曲がお好みでしょうか? 僕は『スノウアンサー』がめちゃ好きです。Zepp Osaka Baysideだったと思うんですけど、そこで聞いた『スノウアンサー』がめちゃ良かったんです。ライブハウス内にゆっくりと、降り積もるように照らす白銀の照明と斎藤くんの熱唱が、すごく印象に残ってます。またどこかで聞けたらいいなぁ。

 

『ここで会ったがけもの道』。

この曲はどういう位置づけで聴けばいいのか、未だに決められてない僕です。「元始に女子が太陽だとしたら月の黒幕も女子だろう」。よくこんな歌詞思いつきますよね。リズムと言葉のハマり具合も完璧。

 

ここで来ました『ノンフィクションコンパス』。

「けど止めらんない」のとこの、「ナイアイァー」は、みんな大好き(断言)。『ノンフィクションコンパス』に限った話じゃないんですけど、田淵さんの作る詞で、曲のリズム的に声を伸ばすところ、音程が上がるところの詞は、『その言葉の発音の末尾の母音が「a」』になってることが多い気がするんですよねぇ(説明下手)。

『ノンフィクションコンパス』で言えば、「回る物語」の「わ」の「wa」って感じです。直後の「負けただ」の「tada」も。そして、「けど止めらんない」の「naiaia」って感じですかね。言語学的なIPAがわからなくて申し訳ないです。

『シャンデリア・ワルツ』の「ハローグッバイ」の「ha」もそうかな。あと、『誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと』の「愛してる」の「a」。「ING」の「a」(わかりにくい)とか。

他にもいっぱいあると思います。

 なんかもし、科学的根拠とかあったら面白いなぁと思ってます。

 

 名曲『三月物語』。

この曲もめちゃ好きなんですけど、総選挙で31曲中30位だったんですね笑

ライブで聴けたの初めてかな?

たしかに、正直、カップリングのなかで一番は?と言われたら、違う曲になるんだよなぁ。総選挙、僕は『誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと』に投票しました。『001』めちゃ好き。

 

続いて「三日月の夜の真ん中」。

『三月物語』『三日月の夜の真ん中』『ため息 shooting the MOON』を並べて、「雪シリーズ」と双璧をなす「月シリーズ」としよう。

この曲も好きですね。曲の最後の潔い幕引きがクセになります。

また、田淵さんの歌詞話になるんですけど、UNISONの曲は全体的なイメージとして「宇宙」「空」「星」など、スケールの大きい事象扱いがちでありながらも、その実、「きみとぼく」って感じな、「ボーイミーツガール」なセカイ系の匂いがちらついているような気がします(初期曲はその傾向が顕著?)。

みんなはどんな印象を持っているのか気になります……。

 

『サンタクロースは渋滞中』。

もうタイトルから名曲。照明の緑と赤のクリスマスカラー、好き。

 

大本命(?)『スノウリバース』さん。

MVも作られた、古参新規問わず愛される名曲。斎藤くんのベッドシーン良かったですね。

今回の会場でも大盛り上がりでしたねぇ。

 

 

『UNOストーリー』

これまた珍しい、懐かし曲。いわゆる隠れた名曲ってやつでしょうか。ライブで披露するのはかなり久しぶりだったらしく、TKOの「曲を思い出してる」「君だけに伝えに行くやつでしょ?」は笑った。メンバー(田淵?)曰く、「恥ずかしいから、もうやらないかも」な曲らしいです。

 

『シグナルABC』。

一番売れたシングルのカップリング。どっかで田淵さんも言ってたけど、この曲はアニソン感が強いですよね。大好きです。ライブ的にもノリやすい曲で、これからもちょくちょくやってくれたらうれしい。

 

『ラディアルナイトチェイサー』。

最近のカップリングでは一番好きかも。めちゃ盛り上がりました。アニメのOPで使えそうな曲調、ワンコーラスの長さだなぁと、ずっと思ってます。

 

まさかの『I wanna believe、夜を行く』。

ライブではやらない的なことを言ってた気がするので、驚きました。それだけ、このB面ツアーは特別なものなのかもなぁと感じた。本ライブ一番の盛り上がりだったかも。この曲、余裕でA面行けますよね…。ボーナス的な楽曲として作ったみたいなことを、これまたどっかで言ってた気がする。『harmonized finale』めちゃ好きなんですけど、あんまり理解者が周りに居なくて悲しい勢です……。

 

ごっこ曲となるのか?『Micro Paradiso!』

今回のライブでは、本当にはっちゃけてましたよねぇ。それでも最高にかっこいいロックバンドには変わりない、というところがまたかっこいい。

 

『5分後のスターダスト』

たしか、斎藤くんのお気に入り曲じゃなかったかな? 『センチメンタルピリオド』に収録された荒削りなUNISONも良いですが、やっぱり今のUNISONも最高にかっこいいなと思わせてくれる一曲ですね。会場も少し落ち着いた雰囲気になってました。

 

記念碑的楽曲『さわれない歌』

UNISON SQUARE GARDENというバンドの姿勢についての心棒を果たしているような曲だと思います。この曲があるから、UNISONというバンドを信用できる、みたいなところはありますね。超個人的な話になって申し訳ないんですけど、僕は「バンド」に、悩みの解決法とか、泣かせてくれる曲とか、ファンに寄り添った曲とかは一切求めていないので、UNISONという「バンド」は正に、「ちょうどいい温度感」なんですよね。最高にかっこいいロックバンドがライブハウスにいて、好事家がそれを観に行く。この距離感が心地良いんです。つまり個人的には、「近づきすぎないで ちょうどいい温度感であれ」という言葉は、僕からUNISONにかける言葉でもあるのです。

 

『ラブソングは突然に ~What is the name of that mystery?~』

ラストに来ましたラブソング。最後にちょっとだけ「I love you!」と叫んでそそくさと去って行く。実にUNISONらしいのかもしれません。また、解決編(次のライブ)で会おうぜ、と言っているようにも聞こえます。

 

 

だらだらと書きすぎました(汗) 

めちゃ楽しかったぜ!!ってことが伝わってたら幸いです。

あと、「Uスポ」なる号外新聞も貰えました。スタッフさんとメンバーの温度差が、たしかにあった笑。

 

そうそう、舞洲Blu-rayも楽しみですねぇ。クリスマスプレゼントということで。舞洲も最高でしたねぇ。

今、大阪に住めてる幸せを噛みしめて、そろそろ寝ます。舞洲を見返して思ったこともまた、ここに書きたいです。

 

次に行くUNISONのライブは、オリックス劇場。楽しみです。

 

 

『本を読む』ことについて書かれた本を読む。

大学三回生になって、はや半年どころか、それすらも軽く過ぎ去っていることに気付き、恐れ戦いている二シ満塁です。

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柳広司『二度読んだ本を三度読む』 岩波新書
三木清三木清 教養論集』講談社文芸文庫 は途中まで
を読む。

柳さんは『ジョーカー・ゲーム』などで知られるベテラン作家さん。
三木清は、明治大正昭和の時代を渡り歩いた哲学者。

上記二冊は、文学部でありながら、ろくに本を読まないゴミ学生の自分には、耳の痛い内容に溢れながら、気づけば目から鱗が溢れてもいた。名著であります。

まず、柳さんの本から。
ジョーカー・ゲーム』シリーズを読んでいても思っていたことだが、柳さんの書く文章は、徹底して柔らかい。

真面目な論考に、適度な口語調が混ざっている、という感じ。一方的な説き方ではなく、両者リラックスして、お菓子でもつまみながら対話しているような感覚があった。壇上からの拡声器を通した声を漫然と聴いているような、校長先生からのお話的な隔りというより、バーカウンターで肩を並べて、二人にしか聴こえない声量でジョークを交えながら喋っている、といった感覚。

これが何とも気持ちいい。

坂口安吾は『大阪の反逆』において、
>>理論は理論でちゃんと言っているのだから、その合いの手に、時々読者を笑わせたところで、それによって理論自体が軽薄になるべきものではないのだから、ちょっと一行加筆して読者をよろこばせることができるなら、加筆して悪かろう筈はない。(1)<<  
と残している。

これは、太宰治織田作之助坂口安吾の三人が対談した後、その速記に織田作之助が、対談中には発しなかった無駄な言葉を書き加えたことに対しての安吾の評である。

本質を見続けた、安吾らしい意見であると思う。この考えが今回の柳さんの著作を読んでいて、思い出されたことだ。真面目な言葉ばかりではつまらないと、いつも思う。小泉進次郎さんのセクシー発言もまだ、記憶に新しいと思うが、その場の空気を読み取っての、気の利いた発言というものは、誰にでもできることじゃない。(報道的には、一連の流れの一部分だけを切り取った、メディアのいつもの手法でしたね)

無益な言葉狩りのような世の中になっていくのは、つまらないなぁと思う。言葉を楽しむ気風、余裕というもの(そんなものがあるのかは知らない)が、もっと大切にされればいいなぁと思った今日この頃。

閑話休題

恥ずかしながら、柳さんの挙げた作品群のなかで読んだことのある作品は数作だけであった。柳さんは、『竜馬がゆく』を挙げていたが、そのなかで先述したことにも関係する、「読みやすさ」を指摘していた。一方で「読みやすい」が故に招いた「司馬史観」という呪縛の一面も明らかにする。「読みやすさ」のみを追求しては、それもまた意図せぬ結果を招くのかなぁと思った(司馬遼太郎が「読みやすさ」を追求したとは書かれていないので注意)。したり顔で書いてる感じになってますが、僕は『竜馬がゆく』を読んだことがありません。読みます、これから。


ここまで書いてきても、オチというオチが思いつかないので、今回はこの辺で御開き。書き殴り感満載でごめんなさい。


引用
(1)坂口安吾 『不良少年とキリスト』 新潮社 令和元年 p200